ドライブの途中で腰が痛くなったけれど、渋滞などでクルマを降りて休むこともできない、という場合は手の甲マッサージを試してみてください。
手の甲には腰腿点(ようたいてん)というツボが2カ所あります。一つは人差し指と中指の骨が合わさるところ、もう一つは薬指と小指の骨が合わさるところです。2本の指を大きく開き、その間を親指で押さえながらさぐると手の甲の中ほどで大きな骨にぶつかります。そこが腰腿点です。
現代の中国医学では、全身の器官が手に集約され、手に治療を施すことで全身の症状を治せるという「手鍼法」の考えかたがあります。腰腿点は、その中で腰に対応する特攻ツボとして見出され、腰痛の治療に用いられています。たいていの場合、腰の右側が痛む人は右手、左側が痛む人は左手の腰腿点を押さえたときに痛みを感じるはずです。腰全体が痛むときは両手の腰腿点に痛みを感じ、とくに薬指と小指の間のほうに痛みが出やすいようです。
指の股から腰腿点にかけて、骨と骨の間のくぼみを、親指の腹でぐりぐりもみ込むようにマッサージをしてください。手の甲側に親指を、手のひら側に人差し指や中指を当て、はさむようにもむと十分にできます。痛みを感じるほうの手を中心に1~2分もみつづけると、腰がスーっと軽くなるはずです。腰の痛みがはげしいときは、腰腿点を親指でギューっと強く30秒押し続けて少し間をおき、また30秒押すといった要領で繰り返してください。
(漢方鍼灸艸寿堂院長 高橋永寿)