直立した姿勢から前かがみになるだけで、腰椎にかかる圧力は1.5倍に増大します。ゴルフのスイングはそこに強いひねりが加わるので、インパクトの瞬間の圧力は相当なものでしょう。ゴルフでギックリ腰を起こすのは、軽く打ったときに多いものです。強くしっかり打つときは腹筋に力を込めるため、腹圧が上昇して腰を守ります。しかし軽くなにげなく打ったショットは腹圧が十分に高まらず、圧力がもろに腰椎に加わりやすいのです。ギックリ腰防止には、どんなショットでも意識して下腹部に力を込めて打つことが大事です。
もうひとつおすすめなのが、逆方向スイングです。右ききの人ならば、クラブを右に振り上げて左へ振りぬく動作を繰り返しますが、これでは腰椎の左右に偏った圧力が加わることになります。そこで、素振りをするときに右ききのスイングをしたら、グリップを持ちかえて左ききのスイングも同じ回数行うのです。準備運動としてこれを行うようにすれば、朝いちばんのティーショットでギックリ腰を起こすのを防いでくれます。
(城南病院院長 石塚忠雄)