おなかはたいせつな役割を担っており、腹圧が弱いと、おなかで体を支えられないために腰ばかりに負担がかかり、椎間板が変形してしまいます。これを避けるためには腹圧を鍛え、腰とおなかで体にかかる重みをバランスよく分け合うことがたいせつです。しかし、ねこ背や横すわり、膝を伸ばしたまま前かがみになる、膝歩きなど、ふだんしているなにげない動作は腹圧を弱め、プチヘルニアを招きます。椎間板が弱くなり、ヘルニアの症状が出る一歩手前になるのです。
腹圧を鍛えるための方法のひとつが、パンスト呼吸です。腹圧がない人は腹筋がないのではなく、うまくおなかに力を入れることができない人がほとんどです。パンスト呼吸はおなかに力の入れ方を覚える方法で、習得すれば自然と腹圧は鍛えられ、コツをつかめば、1週間ほどで効果が出てきます。腹圧が鍛えられれば、重い荷物を急に持ったときに上手におなかに力を入れることができ、腰への負担を軽くしてヘルニアやプチヘルニアを未然に防ぐことができます。
(戸田整形外科リウマチ科クリニック 戸田佳孝)