ドライブに伴う腰痛の多くは、腰の筋肉の疲労によるものです。緊張がつづいた筋肉は血液循環が悪くなって老廃物がたまり、これがだるさやこり、痛みの原因になります。冬は運転中に腰が冷えやすいため、さらに筋肉への血流量が低下し、クルマを降りたときには腰も伸ばせない状態になっていることもあると思います。そんな経験があるときは、“塩の温湿布”を試してみてください。
まず湯のみ茶わん1杯くらいのあら塩を用意し、フライパンで熱します。十分に熱くなったら、厚めの紙の上にあけて包みます。そのままでは熱いので、ガーゼを数枚重ねたものやタオルでくるみ、ほどよい熱さに調節したら、腰の痛みやすいところに当てます。ホカホカと気持ちよく、腰が冷えから解放されるだけでも、ドライブがグンと快適になるはずです。塩の熱でじっくりあたためられた腰の筋肉は、毛細血管が拡張して血流が盛んになり、老廃物がどんどん洗い流されます。塩は途中で冷めてきますが、あたためられた筋肉の効果はその後も持続するので、数時間のドライブでも疲れにくく、腰痛を軽減できます。使った塩は熱し直して繰り返し使えます。塩の温湿布は、腰痛だけではなく、肩こりや冷え性、生理痛、冷えからくる下痢や腹痛にも効きめがあります。
(長塩本草研究所所長 長塩守旦)