運動不足で下腹がたるんだような状態になると、腹筋の働きがとても弱くなり背筋の負担がふえるので、背中から腰にかけての筋肉が慢性的にかたくこり、腰痛の原因になります。同時に腸をはじめ内臓の筋肉も衰えて腸管がたるんでくるので、便秘がちになることも多いのです。長時間のデスクワークなどでほとんど歩かない人や、テレビの前から動かない主婦などにこのような腰痛が増えていて、背中の上部から広範囲に痛む、首を下に向けると腰が痛むという場合がまさにそうです。
こうした腰痛には、「大腸経(だいちょうけい)」という経絡(気の通り道)上にある、「合谷(ごうこく)」の指圧が効きます。手の親指と人差し指を直角に開いたときに、2本の指の骨が接合する谷間の深いくぼみが合谷です。指圧するときは、上からまっすぐ押すよりは、人差し指の骨のきわを小指のほうへ押し、左を5~7秒押したら右も5~7秒間という具合に、左右の合谷を交互に3分ほど行います。これを1日1~2回行うだけでも効果が出てくるはずです。
(日本経絡指圧会会長 佐藤一美)