「ブラシ療法」は、入浴の際などに柄つきの浴用ブラシで腰をたたいたりさすったりするだけの手軽な方法です。毛の一本一本がいわば鍼の役目をして、広い範囲に点在するツボを刺激することができるため、ツボの位置が正確にわからなくても効果が得られるというのが利点です。刺激は鍼灸にくらべれば浅くおだやかなものですが、同時に皮膚を鍛え、患部の血行をスムーズにするというマッサージ効果も期待できます。
柄つきの浴用ブラシの毛先で腰の痛む部分を重点的にたたいたりさすったりしたあと、洋服にブラシをかけるように、腰全体を上から下へとブラッシングします。ブラシはナイロン製のものより、豚毛などのほうが肌ざわりがよく、皮膚を傷つける心配もありません。3分ほどを限度にし、やり終えるころに肌が少し赤みを帯びる程度の強さで行うのがコツです。強くたたいたりこすっても効果が高まるわけではないので、気持ちのいい程度で行うようにしてください。
(岡田明祐)