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しっかり腰痛対策

    湯ぶねで「正座」が筋肉を伸ばし腰痛防止に

患部をあたためてはいけないギックリ腰などの急性期を除けば、おふろは腰痛解消によい習慣です。浮力のおかげで足腰の筋肉が重力から解放されてゆったりと伸展しますし、体があたためられて血行がよくなり、筋肉にたまった疲労物質を洗い流してくれます。

ゆっくりつかって体が十分にあたたまったら、そのまま湯ぶねのなかで正座をしてみてください。正座をしているときの背骨の弯曲は、正しい姿勢で立っているときの、背骨の自然な弯曲に近いのです。とくに腰痛持ちの人は、大腿直筋という膝を伸ばす筋肉が縮まっていることが多いのですが、正座はこの筋肉を伸ばす効果があります。膝が痛い人には正座はつらい姿勢ですが、湯ぶねの中ですれば膝に負担をかけずにすみますし、水圧でおなかが押されて腹圧が高まるので、腹筋の衰えている人でも背筋をしゃんと伸ばすことができます。また、普段正座をするときは座布団をうまく利用してください。二つ折りにした座布団をおしりの下に入れて正座すると、膝の負担が少なくよい姿勢で座れます。

(日本医科大学名誉教授 石田 肇)

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